◆日本橋の元祖を味わう
現在に続く日本文化が数多く生まれた江戸時代。その中心都市・日本橋は、“元祖”や“発祥”の宝庫。月刊日本橋に平成7年4月号から平成10年8月号まで連載された“月本裕の元祖を味わう”をピックアップ。少しずつ更新するので、お楽しみに!
【甘名納糖】榮太樓總本鋪
創業:1857年創業安政4年(1857)の榮太樓總本鋪の初代・細田安兵衛が、当時安価だった小豆の一種、金時大角豆(ルビ:ささげ)を砂糖蜜で煮詰め新しい菓子を創り出したのがはじまり。
発祥に関わった人物:榮太樓總本鋪 初代・細田安兵衛(平成7年4月号掲載)
【玉露】山本山
創業:1690年元禄3年(1690)、お茶で名高い宇治(京都府)山本村から、初代嘉兵衛が現在の地、日本橋に茶舗・山本山を創業。お茶の最高級品といわれる「玉露」は、六代目嘉兵衛が発明。
発祥に関わった人物:山本山 六代目嘉兵衛(平成7年5月号掲載)
【味附海苔】山本海苔店
創業:1849年嘉永2年(1849)、初代山本徳治郎が室町一丁目に創業した山本海苔店。味附海苔を創り出したのは二代目徳治郎。才知に長けた人物で、剣の達人であった。
発祥に関わった人物:山本海苔店 初代・山本徳治郎(平成7年6月号掲載)
【うな丼】
「うなぎ飯」を考案したのは、日本橋で芝居の金方をしていた大久保今助。それを葦屋町(堀留町)の大野屋が売り始めた。ちなみに、蒲焼は尾の方がおいしいとされる。【ハヤシライス】丸善
創業:1869年創業者早矢仕有的は、ありあわせの野菜と肉をゴッタ煮にし、飯を添えて饗応するのが常であった。人々はこの珍しい料理をハヤシライスと呼んだ。
【栗ぜんざい】梅むら
創業:1892年明治25年(1892)、日本橋瀬戸物町で汁粉屋を開業した初代佐藤三吉が粟ぜんざいを考案した。