月刊『日本橋』 2020年4月号 No.492
特集 吉田五十八
激動の昭和、洋風建築が人気を集める中、確固たる信念のもと
数寄屋建築を独自に近代化した建築家・吉田五十八。
実は彼のルーツは日本橋にありました。
今号は、吉田五十八の人生と、彼の建築の魅力をご紹介します。
●特集はまだまだ続きます。ぜひ本誌を手に取ってご覧ください!
【今月の表紙】春の夜げしき 大判三枚続きの左端 弘化2年(1845)頃 下総屋版
【4月号連載】人物語 第313回 髙津伊兵衛さん
日々進化していくまち日本橋で、ひときわ存在感を放つのが、鰹節の老舗・にんべんである。元禄12年(1699)、勢州(三重県)四日市出身の髙津伊兵衛が、日本橋四日市の土手蔵(現日本橋一丁目野村證券の本社付近)で、戸板を並べて鰹節と塩干類の商いを始めたのがはじまり。その後小舟町に「伊勢屋伊兵衛」の屋号で鰹節問屋を開業し、現在の本社付近に小売店を構えた。のちに社名ともなった「にんべん」と誰からともなく呼ぶようになったのは、江戸っ子たちに愛された証にほかならない。
そして時が流れ令和2年2月、歴史と伝統を受け継ぐ十三代髙津伊兵衛が誕生した。……(続きは本誌で!)
【4月号連載】浜町ちーず
春風がまちの中をふんわりと通り抜けれ ば、その陽気な季節に甘い一口を添えてみ たくなる。明治座の近く、東京洋菓子倶楽 部の〈浜町ちーず〉は、深いコクが特徴の 発酵バターに、牛乳、卵黄、小麦粉、砂糖 を加えて、職人がゆっくりと炊き上げていく カスタードクリーム作りから始まる。なめらか に仕上がったそのクリームに加えるのは、酸 味と塩味のバランスの良さを持つクリーミー なフランス産のクリームチーズと、卵白をふ わりと泡立て作ったメレンゲ。……(続きは本誌で!)
【4月号連載】シンボーの日々是好日 第242回 南伸坊
「巨砲とかっていたんだからさァ」
とツマが突然言った。
無観客相撲のTVを観戦している。
「この人とか巨乳って名前でいいよね」という。
たしかにお相撲さんは、巨乳になってる人がいる。
「いや、きょにゅうじゃマズイかァ、巨乳と書いてオオチチと読む」
と言って行司のマネをしている。
「オオーチッチーーイ」
と行司の声色で呼び上げた。私も横から式守伊之助式に
「オホーオ、チヒッチヒー」
と唱和した。……(続きは本誌で!)