月刊『日本橋』 2020年9月号 No.497
特集 古今べんとう記
おうちでゆったりと、公園でのんびりと、場所を選ばず私たちの食事を彩ってくれる“お弁当”。
今回は、江戸のお弁当事情から、今の日本橋のお弁当マップまで、お弁当にまつわるアレコレを盛りだくさんでお届けします。
●ぜひ本誌も手に取ってご覧ください!
おうちの日本橋かわらばんオープン!
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【今月の表紙】
本朝名橋之内 江都日本橋略図 大判三枚続の内右二枚 天保13年(1842)頃 萬吉版
【9月号連載】人物語 第318回 山内康敬さん
今年で130周年を迎える社交クラブ〝日本橋倶楽部〟。その歴史深いダイニングルームでは、東京會舘が委託運営を受け、ビーフシチューやオムライスからフルコースまでと、数々の料理で会員の舌を唸らせている。厨房に立つのは東京會舘の調理アドバイザー・山内康敬さん。南極越冬隊の料理人として1年間、全隊員40名の胃袋を満たした経歴を持つ料理人だ。……(続きは本誌で!)
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【9月号連載】そよいち
鍋には高温に熱されたたっぷりのラードがなみなみと揺れている。そこに、滑るように投入されたのは、細かいパン粉を薄めに纏わせた牛肉。ジュワッと一気に揚げられ、きつね色になるまで少し。そよいちの女将・石井明美さんが経験で培った感覚で、やや赤みが残る絶妙なタイミングで引き上げられる。手早くサクッサクッと食べやすい大きさに包丁を入れられて、そよいち名物ビーフカツが出来上がり。……(続きは本誌で!)
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【9月号連載】シンボーの日々是好日 第247回 南伸坊
朝、体温計が「ピピピ」といっている。体温計はつまり
「計測ができました」
といっているわけだ。私は毎朝、起きると歯をみがいて、顔を洗う。
そうして、血圧と脈拍の測れる器械でそれを測った後に、体温計を脇の下にはさんで、体温を測るわけだ。
しかるに私はまだ、体温計を脇の下にはさんでいないのだ。
「なんだコレ?」
と私がいうと、ツマが体温計になりかわって状況を説明してくれた。
「暑いんすよ、今朝はもう部屋ン中、32度です。で、つい測りました」
「脇の下……」
「はさむとか、はさまないとか、関係ないんすよ、32度以上になると自動的に測りますワレワレ」
「ワレワレか……」
「ハエ」
……(続きは本誌で!)
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