月刊『日本橋』 2017年6月号 No.458
【今月の表紙】 婚礼色直し之図 大判三枚続きの内右端
【6月号連載】人物語 第279回 渡辺訓章さん
1922年の開業から、宴会場、結婚式場、レストラン、時に直木賞・芥川賞の授賞式の場として、華やかな時間を提供し続けてきた東京會舘。更なる近代化を目指し、本舘では大規模な建替え工事が行われている。その最中の今年4月、東京會舘は新たな代表取締役社長の就任を迎えた。入社以来、ウエイター、人事、営業、総支配人と、数々の部署を経てきた、現場叩き上げの渡辺新社長の誕生だ。
(続きは本誌でお楽しみください!)
【6月号連載】てん茂
栄養たっぷりのワカメや昆布などをエサに、日に日に旨味と肉厚を増してきた鮑が、いよいよ各地で解禁日を迎えた。中でも、てんぷらの老舗・てん茂が二代目からこだわるのは、特に旨味が強いとされる千葉県外房の黒鮑。毎朝築地から仕入れるでっぷりとしたその身に塩を振りかけヌメリを落としていくと、鮮度が高い証拠、みるみるうちに身が固く締まっていく。その身を一気に柔らかく解き放つのが、煎った白ごまから絞られた風味高いごま油。……(続きは本誌で!)
【6月号連載】シンボーの日々是好日 第208回 南伸坊
「くろちゃん、くろちゃん、ワタシがやってんすよ」
と私は言った。くろちゃんは、うちのネコだけど、どうも、あんまし頭がよくない。
机のはしから、指をちょっとだけ出して、何かの小動物のような動きをすると、目がランランとなってきていまにもとびかかって食いつきそうだ。
あまりにも意欲が表れすぎたので私は指を引っこめ、冒頭のように言ったワケだ。
……(続きは本誌で!)