月刊『日本橋』 2016年2月号 No.442
特集 江戸で知るいぬのこと。
人類最古の友とされる犬。今や人の心を癒してくれるだけでなく、目や耳の不自由な人が安心して街を歩けるよう補助し、事故や災害現場でも大活躍。東日本大震災で懸命に任務を遂行する姿はまだ記憶に新しい。今や人間にとってなくてはならない存在の犬。人はその友と歴史の中でどのように接してきたのか。遺跡から発掘される犬骨から、絵画に残る愛くるしい犬、寂しげな犬、追われる犬の表情や姿から、人と犬が生かし合ってきたその歴史を辿る——。
●特集はまだまだ続きます。ぜひ本誌を手に取ってご覧ください!
2月号に関する訂正とお詫び
【今月の表紙】
木曽街道六十九次之内 上尾 三浦の高雄 大判 嘉永5年(1852) 林屋庄五郎版
【2月号連載】人物語 第263回 堤泰之さん
痛快喜劇「おトラさん」がいよいよ明治座で幕を開ける。オリンピックを4年後に控えた昭和35年の人形町を舞台に、人情味溢れる笑いと涙のストーリーが繰り広げられる。主役の梅沢富美男扮するのは、煎餅屋でお手伝いとして明るく陽気に働くおトラさん。「なんだかもうとにかく可愛いんですよ」と、おトラさんに早々心奪われているのが、今回、脚本・演出を手掛ける堤泰之。
堤さんが生まれた年は、偶然にも舞台と同じ昭和35年。大王製紙が本社を置く企業城下町、愛媛県四国中央市で小学生まで過ごし、その後、松山にある中高一貫の男子校に進学。学芸会で舞台に立つことになり、勉強のためにと初めて街へ芝居を観に行った。感想は「これぐらいなら俺にもやれる(笑)」。それでも当時は芝居より東京に出て映画を学びたいと思い、東大に落ちたら映画専門学校に進学しようと決めていた。滑り止めはどこに? の問いに「一校も受けませんでした」と潔い。
入学した頃の東大は演劇活動が盛んで、東京大学演劇研究会に所属していた野田秀樹が旗揚げした劇団「夢の遊眠社」がまさにブレイクを迎えようとしていた。(続きは本誌で!)
【2月号連載】逸品 八重洲大飯店 什景湯麺(拾目そば)
濃厚な香りが胃を刺激する。まずはレンゲで一口。香りほどの濃さはない上品なスープに、野菜のコクがしみ出したあんが混ざり、うまみが何層にも広がる。いくら食べても飽きない味わいは、鶏ガラと豚骨を10対1、臭み消しにネギとショウガを加えて、沸騰させないように2時間煮込んだ醤油ベースのすましスープだ。お次は麺を。もっちりとした食感で、切り出したままのまっすぐな角麺がほどよくスープをつかむ。は不使用、最高級の小麦粉と塩、卵白だけで打ち出され、独特のうどんのようなコシを持つ白い中華麺は、開店以来馴染みの製麺所特注品。「ここでしか食べられません」……(続きは本誌で!)
【2月号連載】シンボーの日々是好日 第192回 南伸坊
自宅トイレで「小」の方を、立ってするか坐ってするか問題。というものがTVで話題になった時、ああ、そういえば前は立ってやってたなあ。
いつから、坐ってするようになったんだっけ? いつの間にか坐ってやってた。「大」の時は坐ってするようになってる便器を「小」の場合は立ってするというのは、そもそも「小便器」というものが、本来はそなわっているものだと。
男は立ってしょんべん!
というのが、
男は黙ってサッポロビール!
と三船敏郎が断言してたころには、あえて言うまでもないことだった。
その頃は「大」のときは坐るのではなくしゃがんでいたのだったが。男用には、いちいちしゃがまずにできる「アサガオ」というものがあったので、それが家庭用では省かれるようになっても、形としてのこったのだった。
……(続きは本誌で!)